レーザー学会誌「レーザー研究」出版倫理と基本方針

一般社団法人レーザー学会(以下,本学会)は,高い倫理基準を維持し,高品質の学術論文誌を提供することを保証するため,著者,引用,データ表示などの公開ガイドラインと概念を定めています. 「レーザー研究」(以下,本誌)の倫理要件,著者責任,およびその他に関する指針や基本方針の詳細については,以下をお読みください.また以下に記載されていない事項に関してはCOPEガイドライン(Code of Conduct and Best Practice Guidelines for Journal Editors)に準拠します.

  1. 著者および寄稿者に関する基本方針

本学会で出版するすべての学術記事の著者は,著者の定義を理解し,著作物における引用,データ呈示,および学術雑誌出版に必要な倫理指針を遵守することが必要です.

  1. 1. 著者の定義

寄稿者が,自身の論文の著者の一員として連名にするべき共著者を選定する必要があります.本節では,共著者の選定および,著者としての責任を明確にします.

本学会では,次のすべての基準を満たす個々人を著者としています.

  1. 理論の構築,方法論または実験の設計,試験または試作品の開発,当該学術記事に含まれる作業に関連するデータの分析や解釈のいずれかあるいはすべてに対し多大な知的貢献した.
  2. 当該学術記事記事の草案作成,知的内容の吟味,改訂のいずれかあるいはすべてに貢献した.
  3. 参考文献を含め,出版用の当該学術記事記事の掲載決定された最終稿の内容を承諾した.

原稿作成に貢献した人で,上記の基準のすべては満たしていない人物は,謝辞に記載してください.寄稿者の記事作成に貢献した著者を除外したり,上記の要件をすべて満たしていない人を含めたりすると,出版倫理の違反と見なされます.

  1. 2. 連名者について

複数の著者と協力して記事を出版する際には,全員の合意のもとに責任著者を1名決めてください.責任著者は,本学会との唯一の連絡先となる著者となります.

責任著者は,上記のすべての著者基準に加えて,以下の責任も負うものとします.

  1. 適切なすべての人が連名者に含まれていること,不適切な人が含まれていないことの確認を行う.
  2. 連名者全員から,責任著者であることの同意を得,また出版が承認された最終稿の承諾を得る.
  3. 当該投稿記事の現在の状況をすべての連名者と共有する.そのためには,査読者のコメント,最終稿や校正刷りのコピーを共著者全員に回覧することが必要になります.

本誌では責任著者は,投稿前に選出しておかれることを推奨します.連名者は,各人が著者として,投稿,査読,出版に対しての責任を対等に負うものとします.

  1. 3. 著者の責任

著者は,本誌寄稿用学術記事が著者のオリジナルであること,以前に公開されていないこと,または現在他の雑誌に並行投稿されていないことを確認する必要があります.また,本文の記載内容に加えて,引用,データ表示など出版掲載に関するすべての倫理ガイドラインを遵守する必要があります.

  1. 4. 著者の権利

本誌の著者として,著者自身の学術記事の共有および頒布できます.詳細は共有および頒布に関する基本方針を参照してください.

  1. 苦情や上訴の処理に関する基本方針
  1. 1. 著者による申し立て

著者が投稿時に,特定の人物をその記事の査読者から外すように依頼した場合,編集委員会はその要求について議論を行い適正に判断します.

  1.  2. 不正行為に関する申し立て

本学会はいかなる形態の不正行為も容認できません.盗用を含む不正行為は,著者の職務上の重大な違反と見なされ,重大な倫理的および法的問題に発展する可能性があります.

著者が不適切な行動をとった可能性があることを知らされた場合(これには,データの虚偽表示,テキストの偽装,または記事が公開された,公開が承認された,または別の出版物おいて同時にレビュー中であることを編集者に通知しないこと等が含まれますが,これらに限定されたことではありません),編集委員会は申し立てられた違法行為を調査するものとします.

すべての問い合わせは,迅速かつ公正に処理されるものとします.申し立てに関連するすべての当事者には,対応する機会が与えられるものとします.

申し立て内容について検討する際,学会編集委員会は,内密に調査し,責任者に推奨案を提示するために,申し立て内容に関し専門知識を有する独立した臨時委員会を組織することがあります.実際の盗用には程度があるので,申し立て内容の調査は以下の視点で行い,総合的に判断して是正案を提案します.

  1. 該当箇所の分量が論文のどれだけを占めるのか.(論文の全部,説,ページ,段落,文,用語)
  2. 引用符の使用などが適切に行われていたか.
  3. 原典を示すのに適切な表現がされていたか.
  4. 不適切な言い換えがされていないか.
  1. 3. 不正行為の調査と是正措置の適用

本誌に関連する不正行為(捏造,盗用,改ざん,二重投稿,または以前の出版物の不適切な再投稿など)の確認が編集者によって行われた場合,適切な是正措置が行われるものとします.編集委員会の決定は最終的なものであり,さらに上訴されることはありません.

(委員長コメント:このセクションはしっかり見直す必要あり.)

  1. データ共有と複写に関する基本方針
  1. 1. 著作権上の注意

本誌掲載記事の著作権は本学会に帰属しており,著作権によって保護されています.記載内容の著者や読者による個人的使用は許可されています.広告または宣伝目的でこの資料を再印刷/再出版する,サーバーまたはリストに販売または再配布するための最新情報として収録する,他の著作物に本誌掲載の内容の一部を再利用するなどの用途で使用する場合は本学会からの許可を取得する必要があります.

  1. 2. 電子媒体などによる公開

本誌に投稿した学術記事を著者のWebサイトなどで公開する場合,同論文の最初の画面に次の通知を記載する必要があります.

「本論文は,出版目的のために『レーザー研究』に投稿されました.出版決定後に著作権が予告なしに譲渡される場合があるため,その後,このファイルにアクセスできなくなる可能性があります.」

本学会が記事の出版を承認する場合,著者は本学会の著作権表示をWeb公開されたバージョンに追加し,掲載ページの電子アドレス(URL,ftpアドレスなど)を本学会に連絡する必要があります.

本学会によって当該記事が出版された場合,著者は,承認された論文の電子版に,次のいずれかの措置を講じるものとします.

  1. 本誌の記事の引用を明記(最終的な本誌の紙面が掲載できない場合.)
  2. 本学会の著作権表示と本誌記事の引用であることを明示した上で,最終稿のpdfファイルなどで置き換える.

(委員長コメント:プレプリントやゲラの扱いはコンセンサスを得る必要があると思われる.別刷り購入者は購入したpdf利用可,非購入者は,1年後の電子版公開を待ってpdf使用可とするなどのルールが必要か?)

  1. 知的財産に関する基本方針
  1. 1. 二重投稿に関する基本方針

学術刊行物における知的財産権は主に著作権です.本学会の基本方針では,著者は,他の雑誌等に掲載されていない,または別の査読付きの出版物について査読中ではないオリジナルの学術記事のみを提出する必要があります.

「二重投稿」とは,2つ以上の出版物・刊行物によって同時に出版検討されるよう投稿された類似内容の記事として定義されます.二重投稿は原則できませんが,事情により許可する場合があり,その判断は編集委員会の裁量に委ねられています.著者は,その理由について編集委員会に通知するものとします.

  1. 2. 既発表情報の再利用に関する基本方針

同様な資料・情報がその進化のさまざまな段階で繰り返し呈示されることは,学術論文の出版過程では一般的です.例えば,ワークショップでの初期のアイデアの公開,会議でのより進展させた研究,完成度の高い学術雑誌または論文誌の記事としての寄稿というプロセスは,学術研究を進める上での重要な手段です.出版物の編集者は,より広い配布を促進したり,特別な資料を1つの出版物に集約して読者にサービスを提供したりする目的で既存の資料を再利用することがあります.この習慣は,本誌編集委員会でも十分認識され,受け入れられています.同時に,本学会は,この進化的プロセスにおいて,既発表の情報が著者によって適切な引用を確実に行った上で再利用されることを求めています.また,新しい提出物が以前に出版された論文とどのように異なるかを,その記事を引用して非常に明確に示す必要があります.

5.出版後の議論および訂正

編集委員長は,出版前に不備を発見または報告され場合は記事の錯誤を修正するものとします.刷り上がった本誌は,編集委員会の議を経て会員に配布を行う.その際,あるいはそれ以降に不備が発見された場合は適宜修正記事を公表するものとします.

  1. 著者の責務

 

  1. 1. オリジナリティの確保

本誌で公開するために学術記事を投稿するときは,以前に公開されたことがない独自の記載内容を含めることが必要です.また,査読による決定を待つ間は,同内容の学術記事を他の出版物に投稿しないでください.

一般に,学術・技術研究の予備的な成果は,学術会議の資料として最初に公開され,それら初期段階の研究成果がより完全な形に発展し,学会誌や論文誌の学術記事として掲載されることは稀ではありません.従って本学会では完全にオリジナリティが確保された著作物のみならず,次の条件をすべて満たした場合にこの進化的なプロセスで出版された両方の著作物についてオリジナリティを認めます.

  1. 学術会議用と本誌寄稿用の学術記事の両方が標準的な査読を受けている.
  2. 本誌寄稿用の学術記事には,学術会議用のものよりも大幅に多くの学術・技術情報が含まれている.
  3. 本誌寄稿用学術記事で学術会議用のものを引用し,2つの記事が異なることを明確に示す.
  1. 2. 引用元の適切な記載

本誌記事においては使用されている情報源は常に引用してください.具体的な例として,以下の場合はすべて引用が必要です.

  1. 他の情報源から直接引用した文章等がある場合,該当箇所を引用符で囲み,情報源への引用を含めてください.
  2. アイデア,過程,議論,結果など他の情報源からの情報を要約する場合にも引用元を含めてください.
  3. データ,研究結果,情報,図,表などを他の情報源から参照,転用,または再利用する場合もその情報源を引用してください.

また著者自身の以前の出版物に対しても同一なルールが適用されます.

これらが適切に行われていない場合,即ち元の情報源が明示的に認められない状況で,他人のアイデア,過程,結果,または文章などを使用することは盗用となります.本学会はいかなる盗用も容認しません.これらは研究職務上の重大な違反とみなされ,重大な倫理的及び法的結果をもたらす可能性があります.

また被引用数を人為的に増加させるため無関係な情報源を引用することは倫理違反と見なされます.上記の基準に従って記事に正確に関連する情報源のみを引用してください.

  1. 3. データの正確な呈示

研究成果が完全にまた正確に伝わるようデータは正確に記述してください.またデータの捏造,改ざん,画像の過度または不適切な調整を含む画像操作などは重大な倫理違反となります.

  1. 査読者の責務
  1.  1. 査読の辞退

査読者は,論文で報告された研究を査読する資格がないと感じたり,迅速な査読が不可能である場合には,その理由とともに編集者に通知し,査読を辞退してください.

  1. 2. 機密保持

査読のために受け取った原稿はすべて機密文書として扱われなければなりません.編集者が許可した場合を除き,他の人に見せたり,話し合ったりしてはなりません.

 

  1.  3. 客観性の担保

査読は客観的に行う必要があります.著者に対する個人的な批判は不適切です.査読者は根拠となる議論を添えて自分の意見を明確に表明する必要があります.

  1. 4. 出典の確認

査読者は,著者が引用していない関連する学術論文等を指摘する必要があります.観察,導出,または議論が以前に報告されたという記述には,関連する引用を添付する必要があります.査読者はまた,査読中の原稿と,個人的に知っている他の出版された論文との間に実質的な類似点や重複がある場合には,編集者に指摘する必要があります.

  1. 5.利益相反

査読を通じて得た情報やアイデアは機密として保管し,個人的な利益のために使用してはなりません.査読者は,論文に関係する著者,企業,機関との競争関係,協力関係,またはその他の関係や関係から生じる利益相反のある原稿を査読すべきではありません.

  1.  編集者の責務
  1. 1. 掲載論文の決定

本誌編集委員長は,記事の承認または拒否について最終的に責任を負いますが,公平なプロセスを担保するため,その決定は編集委員会の議を経て行うものとします.出版承認に関する決定は,(特別なトピックに特化した号を除いて)投稿された学術記事は可能な限り承認の可否を判断します.投稿された学術記事の査読結果はその根拠を添えて書面で著者に通知されます.掲載不可の場合,これは特に重要です.

  1.  2. 公平性の担保

編集者は,著者の人種,性別,性的指向,宗教的信念,民族的出身,国籍,または政治哲学に関係なく,いつでも原稿の知的内容を評価します.

また編集委員長および編集者は,本誌の引用数を不正に増やすために行われる一切の行動を自ら行ったり受け入れたりしてはいけません.

  1. 3. 機密保持

編集者は,投稿された原稿に関するいかなる情報も,対応する著者,査読者,潜在的な査読者,その他の編集アドバイザー,および必要に応じて出版社以外の者に開示してはなりません.

  1. 4. 利益相反

投稿された原稿で開示された未発表の資料は,著者の書面による明示的な同意がない限り,編集者自身の研究で使用してはなりません.